多様性と境界に関する対話と表現の研究所

アートカウンシル東京

【週報】新しいはたらき方:Good Job! 展から。

2017年03月04日

先週末、渋谷ヒカリエで開催されていたGood Job!展に行ってきました。

Good Job! 展は障害のある人との協働による新たなしごと・はたらき方を紹介する展示。
なかでも、「Good Job! Award 入選展」では、協働から生まれた魅力的なしごと・はたらき方を全国から募集し、一次審査を通過した取り組みや活動が紹介されています。

そう、この展示のおもしろいところは「取り組み」を紹介するものだということ。

たとえば、今回アワード準大賞を受賞された「藍染手ぬぐい・型染鯉のぼり」は、NPO法人La Manoが展開する取り組み。

クラフト工房LaManoは、一般就労が困難な人たちが、生き生きと働ける場として1992年に設立されたそうです。
この工房で丁寧に作リだされているのが、天然素材を使った、見て楽しく使って優しい染織品の数々。

藍染は、飛鳥時代に中国から持ち込まれたといわれる染色技法。
LaManoで行なわれている、本藍染め(天然材料を使用)では、発酵度合いの異なる藍に繰り返し浸し、理想の濃さに染め上げる作業が必要になります。

複雑にも思える行程ですが、LaManoでは、工夫し、分かりやすく簡単な作業にすることで、
工房ではたらく人たちが好きな仕事・得意な仕事を中心に、苦手な仕事にも少しずつチャレンジできる環境をつくっているといいます。

そこから生まれる製品は、工房の強みである「藍染」と障害のある人の「絵(カタチ)」の両方が生きたものばかり。
藍染手ぬぐいは、昔ながらの柄からオリジナルの柄までバラエティがあり、選ぶのが難しいほどでした。

また、型染鯉のぼりは毎年完売してしまうほどの人気商品。
すべて手作りであること、マンションのベランダにも飾れる小さいサイズであることなどから口コミでひろがり、プレゼント用に購入される方も多いそうです。

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(写真はクラフト工房Lamano ウェブサイトよりお借りしました)

生産性ばかりを追い求めるのではなく、質の向上も諦めるのではなく、作業行程や環境づくりを工夫することで、いろいろなことが可能になり、素敵なものが生み出されていく。

そうした取り組みを知ることは、柔軟にものごとを捉える、ヒントになるのではないかと思います。

新しいはたらき方をつくることは、これからの社会を変える大きな力をつくること。

こうでなきゃできない、ではなく、こうもできる、ああもできるを、探していきたいと改めて思いました。

展示は終わってしまいましたが、ウェブサイトからは今年のトレーラー動画がご覧いただけます。
展覧会に出している3つの取り組みを取材し、動画にまとめているそうです。
よろしければぜひ、ご覧ください。
http://exhibition.goodjobproject.com/

(井尻貴子)