多様性と境界に関する対話と表現の研究所

アートカウンシル東京

【週報】ゼミナールに、思うこと

2016年05月19日

さわやかな陽気の、5月。
「東京迂回路研究」では、今年度のプログラム実施へ向けて、着々と準備を進める日々です。
今日は、6月3日より開講予定の「ゼミナール」について。

「現場から言葉をつむぐ」と題した、今回の連続講座。
「難しそうだな~」と思われた方もおられるかもしれません。この“難しさ”は、これまで私たちが「対話型実践研究」として調査研究に取り組む過程で、痛感してきたことでもあります。

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この“難しさ”には、大きくわけて二つのことが含まれているように思います。
一つは、「意図を伝えたつもりなのに、全く異なる受け止め方をされる」難しさ。
そしてもう一つは、「言いたいことほど、うまく伝える言葉を見つけられない」難しさ。

私たち自身、「意図を伝えたつもりなのに、全く異なる受け止め方をされる」ことを何度も経験してきました。まず、「多様性と境界に関する対話と表現の研究所」という長い名前の団体が、「東京迂回路研究」という、よく分からない活動をしていること、これだけでも「伝わりづらい」要素は充分です。一体何のために、何をしようとしているのか…? その問いを投げかけられるたびごとに、私たちは、自らが「当たり前」として使っている言葉や視点に気づかされると共に、相手に「伝わる」言葉で、丁寧に言い換えていく必要に迫られました。

「言いたいことほど、うまく伝える言葉を見つけられない」。このことも、私たちがいつも直面してきたことです。調査の現場に赴いて感じる、そこに流れる空気感や、人々の関係のありよう、その場で起こっている出来事などを、どのような言葉で表現すればいいのか。

このようなとき、その場を説明する「理論」や視点を外から持ってきて学び、言葉を得るという方法もあります。たとえば、「ケア」、「アート」、「教育」など、ある現場のことを説明する理論や言葉は、すでにたくさん溢れていますし、参考になるものも多くあります。だけど、どこかから言葉を借りてきて表現するのでは、どうしてもこぼれおちてしまうことがある。そして、その部分こそが、本当に伝えたいことだったりする。

伝えたい言葉を探すのは、分かりやすい答えをポン!と出すのとは異なる、“難しさ”があるかもしれません。しかし、現場から何かを感じ伝えようとする「自分」と、それを伝えるべき「相手」、さらに他の受講生という「他者」とのあいだで、ふさわしい言葉が見出され、表現が練り上げられていく。このことを通じて、それぞれが新たな視点からものごとを捉え直し、いままで見えていなかったありようを明らかにするきっかけになれば、と考えています。

「現場から言葉をつむぐ」ゼミナールでは、日常の生活や活動の現場で、なんとなく「既存の説明や言い方ではしっくりこない」と感じていることについて、その思いを他者と共有し、共に考え、言葉にすることに取り組んでいきたいと思っています。ここでいう「現場」とは、ケア、アート、教育など特定の分野での活動現場はもちろん、家庭や職場、地域など、広く人生の様々な場面で関わる“場”を想定しています。

多くの方の受講をお待ちしています! 
お申し込みはこちらからどうぞ。〆切は5/28(土)です。どうぞお早めにお申し込みください。

(三宅)