多様性と境界に関する対話と表現の研究所

アートカウンシル東京

フォーラムへの集中連載③プログラム1『トークセッション「共に生きるということ」』

2015年08月12日

連載3回目は、9/5(土)13:30~16:30に開催する、プログラム1「トークセッション「共に生きるということ」」 のご紹介を。

★フォーラムへの集中連載
①「対話は可能か?」
②前夜祭『「幻聴妄想かるた」大会』
③プログラム1『トークセッション「共に生きるということ」』
④プログラム2『ライブ「Living Together × 東京迂回路研究」』
④プログラム3『ふわカフェ in 東京迂回路研究』

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写真は、昨年お伺いした「井戸端げんき」のようすです。

じつは今年度の「東京迂回路研究」は、こんなテーマを掲げています。

「迂回路をつなぐ」

これは、私たちの考える「迂回路」——すなわち、社会における人々の「多様性」と「境界」に関するさまざまな課題に立ち向かう際の「生き抜くための技法」ーーを、それぞれの立場で歩いていたり、つくっていたりする人々や活動が、なんらかの形で接点を持つ、ということを目指しています。
その要素がもっともあらわれているのが、このトークセッションです。さまざまな立場の人たちどうしが「共に生きる」ことについて、しなやかな場をつくっている実践者の方たちが次々と登場します。

昨年の調査先からは3名の方をお招きしています。
お年寄りたちとともに、「ケア」するのではなく「共にいる」ことで、そこに集まる人々や状況のすべてを「許す」、という姿勢が印象的だった、千葉県木更津市の「宅老所 井戸端げんき」の加藤正裕さん。
もと保育園長としての経験から、制度からは外れてしまうこどもたちなどを「おばちゃん」という別の看板を立てることで、誰でも来られる場をつくっている、東京都大島町の「伊豆大島元子おばちゃん家」の長嶋元子さん。
HIV/AIDSの予防啓発拠点として、新宿二丁目のゲイタウンの中心にスペースを構え、ポップなデザインの啓発グッズを多数生み出している、通称「新宿二丁目の公民館」、「community center akta」の荒木順子さん。

さらに、「迂回路」であったり、「共に生きる」というキーワードに接点が深い方をお招きしました。
名古屋造形大学の学生と一緒に、瀬戸内海のハンセン病療養所でアートプロジェクトを展開したり、最新プロジェクトとしては新潟水俣病が発生した阿賀野川を遡り歩く作品「旅するお地蔵さん阿賀をゆく」を進めている、やさしい美術プロジェクトの高橋伸行さん。
東京都港区で、多様な人たちが共にいられる地域拠点「芝の家」などの運営を通じて、「都心なのにローカル」「課題解決から価値創造へ」といったテーマで、地域活動にかかわる場づくりや人づくりを行っている、ご近所イノベーション学校の坂倉杏介さん。
東北でさまざまなアートプロジェクトを企画運営しており、東日本大震災後はおもに宮城県南三陸町で「きりこプロジェクト」などを通じて地域文化の継承と復興について取り組んでいる、ENVISIの吉川由美さん。

こんなに大人数のゲストに加え、私たちの研究所のメンバーも聞き手として登場します。
シンポジウムのように、自己紹介や活動紹介の時間はそう多くは取れません。だからこそ、このゲストの方たちには、活動のなかで大切にしているところ、根っこの部分を中心にお話いただけるようにお願いをしているところです。

具体的な活動のひとつひとつのおもしろさとは異なる、「共に生きるということ」についての、ある共通する知見、プログラム4の対談のタイトルにもあるような「まるっきり違うのにそれでも似るもの」を探り当てるようなことができると良いなと思っています。
SHIBAURA HOUSE 1Fの開放的な空間でゆったりと、わたしたちの「迂回路」をめぐる旅を追体験していただけるような場になればと思っています。

(長津結一郎)



[プログラム1]13:30~16:30(13:15開場) トークセッション「共に生きるということ」
さまざまな人の”生きること“に寄り添い、共にあろうとする、しなやかな場をつくっている実践者によるトークセッション。宅老所や託児所、アートプロジェクト、コミュニティセンターの運営などの実践から、「共に生きるということ」をテーマに、即興で語り合います。
1、加藤正裕(井戸端げんき)×長嶋元子(元子おばちゃん家)
2、荒木順子(akta)×高橋伸行(やさしい美術プロジェクト)
3、坂倉杏介(ご近所イノベーション学校)×吉川由美(ENVISI)
4、ディスカッション

会場:SHIBAURA HOUSE 1F リビング
定員:30名程度
参加費:1000円
*UDトークを使った音声認識字幕による情報支援あり



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